精密機械のモデルベース開発(MBD)

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 自動車業界では,すでに当たり前になっているモデルベース
開発(MBD)ですが,最近は精密機械の分野でも耳にするよう
になりました.しかし,実際に始めてみると,自動車業界のモ
デルベース開発は参考にならない.そう感じて,開発の進め方
に迷うケースが多いようです.
 その理由は,自動車と精密機械で抱える開発課題が異なるか
らです.自動車は組込みシステムの開発期間短縮が課題であり,
それは主にソフト屋の仕事です.
 一方,精密機械は精度の要求仕様を達成することが課題であ
り,ソフト屋だけの仕事ではありません.むしろ,振動を原因
とする誤差などメカ屋の仕事と捉える場合が多いのです.そのため,精密機械でベースとなるモデルは NXなどのCAD/CAEツールで作成した機構系モデルであり,そこに制御系を合体させようという考え方が主流です.
 これは,転倒などのマクロ的挙動が問題となる重機では役立っていますが,位置誤差などのミクロ的挙動を問題 とする精密機械には不向きなようです.機構モデルが複雑で,モデルの編集にも演算実行にも時間がかかりすぎ, 開発スケジュールに間に合わないのです.最近は少し早くなったとも聞きますが,未だにこれといった成功例が 見当たりません.
 そこで,精密機械に適したモデルベース開発(MBD)についてお話ししたいと思います. なお,ここで言う精密機械とは,機械的誤差に許容範囲を定めている機械を指しています. 例えば,位置決め機能を持つ機械は精密機械となります. 具体的には,工作機械,産業用ロボット,光学機器,医療用計測装置などです. 微小誤差を問題とするため,機構モデルに拘束軸を設定できないことが共通しています. そのため,マルチボディダイナミクスによるモデル縮退が使えないという不利な条件 を抱えています.

 (1)モデルベース開発(MBD)の種類
 (2)精密機械に適したモデルベース開発(MBD)
 (3)余り知られていない重要なこと

次のページへ   1.モデルベース開発(MBD)の種類

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